2015年11月19日(木)11時から、第11回口頭弁論期日が神戸地方裁判所で開かれました。
(「期日」とは裁判用語で、平たく言うと裁判の日です。第1次提訴の裁判が11回目で、続けて提訴した第2次、第3次の裁判も併せて行われています。)
<各書面の概要・口頭弁論>
原告弁護団から、2つの準備書面が陳述されました。一つ目は予見可能性の対象:今回の裁判で問題にすべきは、「福島第一原発の敷地高であるO.P+10mを越える津波」であり、被告らの主張する「実際に発生したものと同規模の津波」ではないこと、を論じたものです。二つ目は損害の計算方法:原告が失ったのは平穏な生活そのものであり、様々な事情が複合した被害の全体像を包括的に捉えなければならない、これは、個々の実額の合計によっては、到底捉えきれないことを、安保弁護士と野田健人弁護士がそれぞれ要点を読み上げ、それぞれを裏付ける証拠を提出しました。
また、被告東京電力からは、共通準備書面(シビアアクシデント対策について論じたもの)が陳述され、被告国からは、準備書面(シビアアクシデント対策が日本の法規制の対象とされていなかったことを論じたもの)が陳述されました。(←「陳述」というのも裁判用語で、単なる書面のやり取りで実際には「はい」という返事をするだけです。)
そして、今日もこれであっさりと終わりかなと思った矢先に弁護団より、東電に対して裁判所からの文書送付嘱託に従って「震災前に出していた津波シミュレーションの資料」の提出を求めました。これに対し東電は、「提出は義務ではない」、「提出しなくても罰則はない」という信じがたい説明を繰り返すのみで、提出に応じようとしませんでした。これに対しては、原告弁護団団長である古殿弁護士も怒り、「義務はありますよ!」と応戦するという場面もありました。
傍聴者は初めて聞こえてきた東電の代理人の口からこんな無責任な発言が飛び出して怒っていました。
神戸新聞さんが報じてくださっています。
(http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201509/0008404813.shtml)
このやり取りの後、東裁判長が、最後には笑顔で、「原告、被告双方の主張はよくわかりました、あとは、進行協議で。」と言われ、法廷は終わりました。
<報告集会>
あすてっぷ神戸で行われた報告集会では、いつものように津久井弁護士の名司会で始まり、原告代表の橋本洋一さんをはじめ、5人の方が、今の想い、当日の裁判の感想をお話しされました。福島では、声があげられないこと、住宅支援の打ち切り問題、子どもの成長や生活のことを思い、福島に帰ろうかどうか迷っている複雑な心情など、うちあけられました。
弁護団からは今回の期日や今後の流れについての説明が行われました。特に裁判官の姿勢について裁判が開始した当初から変化が見られることには好意的な感想があった一方で、罰則がないからと文書送付嘱託に応じない東電の姿勢には、強い憤りの声が上がりました。
最後に、京都弁護団の田辺弁護士、関西訴訟原告団から力強いエールもいただきました。報告集会でのカンパの呼びかけには41,691円ものご好意をいただきました。いつもありがたいです。裁判支援のため、大切に使わせていただきます。
当日の様子はこちらに http://twitcasting.tv/sei201/movie/217559599
次回以降の期日
2016年2月10日(水) 14:00(101号法廷) 集合13時30分
3月30日(水) 14:00(101号法廷) 集合13時30分
次回からは 水曜日の午後になります。今まで来ていただけなかった方も是非、神戸地裁に足をお運びください。みなさん一人ひとりの眼が原告の方々にとっての大きな力になります。
(「期日」とは裁判用語で、平たく言うと裁判の日です。第1次提訴の裁判が11回目で、続けて提訴した第2次、第3次の裁判も併せて行われています。)
<各書面の概要・口頭弁論>
原告弁護団から、2つの準備書面が陳述されました。一つ目は予見可能性の対象:今回の裁判で問題にすべきは、「福島第一原発の敷地高であるO.P+10mを越える津波」であり、被告らの主張する「実際に発生したものと同規模の津波」ではないこと、を論じたものです。二つ目は損害の計算方法:原告が失ったのは平穏な生活そのものであり、様々な事情が複合した被害の全体像を包括的に捉えなければならない、これは、個々の実額の合計によっては、到底捉えきれないことを、安保弁護士と野田健人弁護士がそれぞれ要点を読み上げ、それぞれを裏付ける証拠を提出しました。
また、被告東京電力からは、共通準備書面(シビアアクシデント対策について論じたもの)が陳述され、被告国からは、準備書面(シビアアクシデント対策が日本の法規制の対象とされていなかったことを論じたもの)が陳述されました。(←「陳述」というのも裁判用語で、単なる書面のやり取りで実際には「はい」という返事をするだけです。)
そして、今日もこれであっさりと終わりかなと思った矢先に弁護団より、東電に対して裁判所からの文書送付嘱託に従って「震災前に出していた津波シミュレーションの資料」の提出を求めました。これに対し東電は、「提出は義務ではない」、「提出しなくても罰則はない」という信じがたい説明を繰り返すのみで、提出に応じようとしませんでした。これに対しては、原告弁護団団長である古殿弁護士も怒り、「義務はありますよ!」と応戦するという場面もありました。
傍聴者は初めて聞こえてきた東電の代理人の口からこんな無責任な発言が飛び出して怒っていました。
神戸新聞さんが報じてくださっています。
(http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201509/0008404813.shtml)
このやり取りの後、東裁判長が、最後には笑顔で、「原告、被告双方の主張はよくわかりました、あとは、進行協議で。」と言われ、法廷は終わりました。
<報告集会>
あすてっぷ神戸で行われた報告集会では、いつものように津久井弁護士の名司会で始まり、原告代表の橋本洋一さんをはじめ、5人の方が、今の想い、当日の裁判の感想をお話しされました。福島では、声があげられないこと、住宅支援の打ち切り問題、子どもの成長や生活のことを思い、福島に帰ろうかどうか迷っている複雑な心情など、うちあけられました。
弁護団からは今回の期日や今後の流れについての説明が行われました。特に裁判官の姿勢について裁判が開始した当初から変化が見られることには好意的な感想があった一方で、罰則がないからと文書送付嘱託に応じない東電の姿勢には、強い憤りの声が上がりました。
最後に、京都弁護団の田辺弁護士、関西訴訟原告団から力強いエールもいただきました。報告集会でのカンパの呼びかけには41,691円ものご好意をいただきました。いつもありがたいです。裁判支援のため、大切に使わせていただきます。
当日の様子はこちらに http://twitcasting.tv/sei201/movie/217559599
次回以降の期日
2016年2月10日(水) 14:00(101号法廷) 集合13時30分
3月30日(水) 14:00(101号法廷) 集合13時30分
次回からは 水曜日の午後になります。今まで来ていただけなかった方も是非、神戸地裁に足をお運びください。みなさん一人ひとりの眼が原告の方々にとっての大きな力になります。